タイトルの通り今回の記事では「私はこの野菜が好きだ」「この果物を作りたい」と頭の中でもうすでに描きながら農家を目指すあなたへ向けた記事になります。
それは大変すばらしいことであって、農業をする上でその作物にどれだけ愛情を注げるかがカギになります。
きつい作業、暑い中、寒い中での作業。又、自然災害による予想外の作業。
農業をしていると必ず起こる苦労です。
だけど諦めず作物の手入れを続けるために最後に必要なのは執念と育てた作物に対する愛情です。
しかしその苦労が報われないこともあります。
そんなときに「好きな野菜、果物」を作っていればもちろん苦手な野菜を育てているよりも諦めずに継続する力へ繋がりますよね。
また、販売するときも「私はこの野菜苦手なんですけど、おいしいみたいです。よかったらどうぞ」なんて間違っても言えませんよね(笑)
そんなあなたは一体どこでどうやって「作りたい野菜、果物」を栽培する農家になれるのか。
そのあたりを解説していきたいと思います。
「農家をやりたいけど何を作ればいいのかわからない」
という方ももちろん参考になると思いますので。ぜひ読んでいただけたらと思います。
【作りたい野菜、果物、どこで作る?】
まずは常識的に考えて言わずともわかると思いますが、北海道でマンゴーを作ろうとは思わないでしょう。
これは当たり前のことです。ただ技術は進んでいて実は「北海道でマンゴー」も無理ではないのです。
私の記憶だと今はどうかわかりませんが、北海道でマンゴーを作る農業法人もあったはずです。間違えていたらすいません。
しかし農業で一歩目を踏み出す読者さんたちに対してイレギュラーすぎる「北海道でマンゴー」のような逆転の発想の農業。
そこにはあまり触れない方がいいでしょう。
理由は莫大な初期投資がかかる可能性が大だからです。
以上です。
では、本題へ。
「トマトを作りたい」
「いちごを作りたい」
「ピーマンを作りたい」
さて、どこで作りましょう?
時期によってですがスーパーで九州産のトマトが並んだり、北海道のトマトが並んでたりしますよね。
いちごも「栃木のとちおとめ」「福岡あまおう」などなど。
ピーマンも様々な都道府県のものが売られてます。
日本人の食卓に並びやすいもの、人気があるものは全国的に作られていることが多いです。
例えばあなたが「いちご農家」になりたいとしたらどのような方法があるのか。
を参考程度に教えたいと思います。
ここで私からポイントです!
~伝えたいこと その1~『作りたいものと住みたい地域のマッチング』
畑さえ手に入ればどこで何を作っても大丈夫だと思っている方。
確かに無理ではないです。ただそれだと非常にもったいないことになってしまうかもしれません。
なぜならあなたは農業で生計を立てようとしている「経営者です」そのうえで場所選びはとても大事です。
この記事を読み進めるうえでそのことを理解していただけると思います。
先ほどの例で話を進めると、あなたは「いちご農家」になりたくて場所を探してます。
もし今お住まいの地域からあなたがあまり離れたくない場合、近くの「いちごの産地」を調べましょう。
もしあなたが東京からどこかすでに移住したい地域があり、そこで農業をしたい場合、その近くにいちごを特産品にしている地域があるかを調べてみてください。
静岡県にどうしても住みたい場合、静岡県の中での「いちごの産地」を調べましょう。
(ちなみに例として静岡県を適当に選んだだけです。静岡にいちごの産地があるかは私にもわかりませんのでご了承ください。)
そしてあなたが思っているよりも都道府県ごとではなく市町村単位で特産品が分かれていたりします。
さてそこで、どうやって地域を特定するのか?
もちろんインターネットで調べます。
そして現在世界はSNS大流行時代です。ぜひSNSで!…と言いたいところですがちょっとストップ。
まず最初は「市町村」のウェブサイト「市町村にあるJA」のウェブサイトで調べましょう。
これには理由があります。
調べ方としては(静岡県 いちご 産地)(熊本県 トマト 産地)などです。
するとだいたいトップページに市町村ホームページやJAのホームページが出てくると思います。
その他、農園のホームページやそれこそSNSなども出てきますが、そこは二番手、三番手として拝見させてもらいましょう。
なぜ「市町村」「JA」のページなのか?
ここでも私からポイントです!
~伝えたいこと その2~『生産量、補助制度を調べる』
・JAページ
だいたいのJAのページには各々のJAの主力の販売農産物が記載されています。
「いちご」だとしたら生産者の農家さんの件数や生産、販売量などが載っていて、そこの地域でのいちごでの実績がわかります。
そして各々のJAでのみ取り組まれている補助制度などがあったり、なかったりします。
例えば、(いちごのハウスを建てるのに当JAでは費用の3/1を補助します)など。
これが結構注目すべきポイントです。
同じ「いちごの産地」なのに隣の町のJAでは補助制度がなくて、こっちにはある。こうゆうことは実際に本当にあるのです。
・市町村ホームページ
ここもかなり重要ポイントです。
JA同様その市町村の一押しの農産物をPRに使用していてます。
尚且つあなたがもしその町で新規就農をしたい場合、ここが窓口になる可能性が高いです。
市町村には必ず農業振興担当の職員がいます。
(私も町の農業振興担当者を通して相談を受け、実際に新規就農の希望者と面談をしたこともあります。)
そして何よりも市町村の予算を使った補助金制度があったりします。
これに関してもJA同様、補助内容が各市町村によって違ったりしますのでご注意を。
下に例をあげますのでご覧ください。
(例)A市ではいちご農家として就農していただける方に家賃の半額を補助します。
(例)B町ではいちごの苗代の半額を補助します。
(例)C村では地域おこし協力隊として村であなたを雇用し、いちご農家に2年間研修に行ってもらいますが、その間の給料を村から支給します。
【もう皆さんはわかりましたか?】
先ほどの私が言った『作りたいものと住みたい地域のマッチング』の部分であなたは「経営者」です。と伝えた意味が。
そう、農業で生計を立てるために移住する地域を選定するこの段階で「あなたの経営」はすでに始まっています!
ここで注意なのは基本的にJAと市町村の補助金も制約なしでは絶対にもらえません。
JAの場合はJAへの出荷が制約になることが多いです。
市町村の場合は移住定住が制約になることが多いです。他にも制約は様々あると思います。
ここでも(例)を出しましょう。
(例1)
いちごが特産品の町でいちごを作る
↓
その町に住む(制約) JAに出荷する(制約)
↓
いちごの苗代の補助やハウスの建設費用がもらえる。(仮で100万円)
↓
100万円を節約した上で農業をスタート
(例2)
いちごが特産品の町でいちごを作る
↓
その町に住む(制約)だがJAに出荷する強制はされたくない。
↓
いちごの苗代の補助がもらえる。(仮で50万円)
↓
50万円を節約した上で農業をスタート
(例3)
ピーマンが特産品の町に移住してしまったがいちごを作りたい。
↓
要件を満たすことが出来ず補助金はもらえない。いちご農家さんがいなくて技術も学べない
↓
全て自己資金と技術支援もなく農業をスタート
どうですか?
経営者として100万円節約した状態でスタートしたくはないですか?
JAの出荷の制約も聞こえは悪いですが、ある意味では他の農家さんたちとの共同出荷みたいなものなので、ブランド力のあるJAだと値段が安定していて値崩れしにくいとゆうメリットもあります。
だけど自分で作ったものは好きなように売らせてくれ!と思うあなた。
実は私もそう思う側です。
ですが経験上、補助金をもらうため気持ちをぐっとこらえることも大事です。
実際に初めて作る作物は1、2年目は思ったほどの成果は出ません。
ちなみに私ならこうします。
補助金ももらいJAに出荷もして、逆にその数年間にJAや他のいちご農家さんとコミュニケーションを取り、栽培技術を出来るだけ盗む。
その後、自分の栽培技術と売上が安定してきたところでいちごのハウスを増やし、増やす分は補助をもらわずにJA出荷分とのバランスを見ながら自分の販路分のいちごも作る。
そうすれば補助金の活用、栽培技術向上、地域とのコミュニケーションの維持、販路開拓も出来ていくでしょう。
これはまさに「一石四鳥!」は言いすぎかな。(笑)
【最後に】
すぐ上に出てきたワード「地域とのコミュニケーション」…これが農業をする上でなかなか面倒なんです。
これに関しては今後記事として
【サラリーマンに疲れて農業をしたい方へ】
【田舎暮らしに憧れて農業をしたい方へ】
を書こうと思っているのでどちらかで詳しく触れようと思います。
JAホームページや市町村のホームページの活用のことですが
本当はもう少し補足で調べるべきことがあります。
今回にまとめるとごちゃごちゃになりそうなのでまたの機会にします。
キーワードは「二番手の作物」です。
この度は私の記事を読んで頂き、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
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