「新規就農編」3話‐サラリーマンが嫌になった人へ

・農家になりたい

みなさま、こんにちは。今回は新規就農へ向けての記事第3弾となります。



プロフィールにもあった通り私ももちろんサラリーマンの経験があります。


経験上からお話しできるサラリーマンと農家(個人事業主)の違い。
そして皆さんの「思い描いている農家像」と農家になると必ず体感する「農家の実態」をすり合わせてもらえればと思います。

【現段階でわかること】

まずはじめに、農家の印象、又はあなたが農家としてデビューした際にどんな生活が待っているか。



もう農家を目指す皆さんの頭の中にはすでに描かれていると思いますが、次の話に進むために再確認させてください。

・自分の努力次第で成果(収入)が決まる。


・農作業は大変だが、働き方も自分で決め、誰にも文句は言われない。


・緑に囲まれた生活で、早寝早起き。



といったところでしょうか。



これはですね、ほとんどその通りです。

【様々な形の農家がいる】




みなさんが目指す農家はきっと、1年を通して自分の作りたい農作物を生産販売する。



いわゆる「専業農家」ですよね?





日本には近年で約3万戸を超える農家さんの経営体があり、高齢化による農業人口減少の影響で、確かに「専業農家」割合は増加傾向です。





日本の専業農家の割合は約7割です。




とゆうことは3割の農家さんが農業収入とサラリー収入とを得る「兼業農家」とゆうことになります。

まぁ、この辺のことは農水省のホームページを見ればすぐわかることなので私が詳しく解説する必要はありませんね。




どうですか?「専業農家の7割」にいきなりなれそうな感覚はありますか?

7割と聞いたら可能性が高そうな気もしますけど、実はかなり難しいと思います。




では、農水省のページには載ってないであろう「農家のパターン」を解説していきたいと思います。

  1.  自分の農園の仕事のほかに、他農園の作業を請け負う「兼業農家」


  2.  週末の休みに農業をする「兼業農家」


  3.  自分の農園で基本的に働き、合間でアルバイトをする「兼業農家」


  4.  一年中自分の農園で仕事をする「専業農家」



といったところでしょうか。きっと他の形態もあると思いますが、私の周りの農家さんはこのような感じです。

(1)については皆さんには当面難しい経営体なのでこういう方法もあるのか。と知るぐらいで大丈夫です。



わかりずらいと思うので例をあげます。

(例)A農園ではお米を収穫する専用の機械を所持している。
高齢で規模の小さいB農園、C農園でもお米は作っているが機械がないので作業を有料でA農園に委託しよう。




とゆう形です。A農園さんは自分の農園の仕事のほかに農家さんたちの請負で収入を得てます。
これをするにはその地域でのコミュニティを把握している必要や、そもそも熟練の農家さんではないとできないケースがほとんどです。




(2)については穀物(米、麦、大豆、小豆)などの農家さんに多いですね。


親が小規模の米作りをしていたが、高齢で辞め息子が跡継ぎをするほどの規模ではないため、サラリーマンをしながら土日に作業をする。

これもその環境と設備が整っていたからできることであって、新規就農を目指す皆さん向けではないですね。





ということは、皆さんに向けて残された方法は(絶対ではないですが)
(3)(4)になるということです。

【いきなり専業農家への厳しい道】




前回の記事を引用するとあなたは「いちご農家の新規就農者」だとします。





こうゆう資料も見つけたので貼っておきます。参考にはなります。
がちょっと出来すぎている気も…

いちご 収支計算.pdf

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上の資料だとそもそも「手持ち資金600万」







…そんな大金ありますか?






いきなり「20a分の農地にいちごハウス8棟」を確保。







この条件の場所を見つけれることが出来ないとは言いませんが、極めてまれです。
いきなりこんな良い条件で始めれるならむしろ私がやりたいです。





資料では減価償却費だとか資金借り入れなどもあり、いきなりだとわかりずらいと思いますので
私が超簡単に伝えます。


・いきなり確保できる面積はいいとこ10a分でしょう。
(これは出来るだけいい条件で新規就農させてくれる市町村をひたすら探すことがカギになります。)




・収穫量も一年目でいきなり10a/4,500kgのいちごが取れたとします。




・単価も余裕をもって1kg/1000円にして




・あなたの一年間の収入は「450万円」です。


・ハウス設備のローン返済も含め、経費は半分以上かかると思いますがここも余裕をもって半分にしておきます。



450万(いちごの収入)-225万(経費)=225万(利益)


あなたの一年の生活費は(225万円)です。



仮に独り身だとしても余裕のある生活はできますか?







ついでに言えば燃料代、ハウス資材代、肥料代はR4、R5年に爆上がりしています。肥料代なんて3年前と比べると2倍です。

なんか厳しさばかりをみなさんに伝えてる気がしてきて書いてて少し辛いです。すみません。








なのでマイナスな意見はこの辺でやめておきます。


ではみなさんがどのようにして「専業農家」になっていくべきか、あくまでも私なりの見解を述べたいと思います。


ここで私からのポイント!!


『就農する地域の下調べの徹底』

これについては前回の記事【新規就農編2話】

をご覧ください。最下部の関連記事にあるかと思います。

もう一つポイントがあります!


『農家にしかできないアルバイト収入で生活費に+アルファ』






はい。ここで今回の記事の本題



【サラリーマンが嫌いになった人へ】






そうなんです。
サラリーマンが嫌になって農家になったあなたが、また他人に使われる生活をしなければいけなくなるのです。。。

でもこれは正直、避けては通れない道だと私は思います。



ただ!待ってくださいー!






嫌にならずにもう少しお付き合いください!




コンビニで働け、夜は居酒屋で働けとは言っていません!







【農家にしかできないアルバイト】をするのです。

それは何?どんなアルバイト?


【いざ農業をスタートしてみると】




いちごを栽培する農家になってまだ1年目、2年目だとします。
あなたは一年中いちごを収穫できると思いますか?


ほぼ出来ません。せいぜい半年です。





「とちおとめ」や「あまおう」は一年中スーパーに並んでいますか?




ある時期とない時期かあるはずです。





実際にはいちごも栽培方法や品種、ハウスの加温の工夫をすれば年中出荷もできますが、経費がかかりすぎるのでまずやりません。


ほとんどの野菜や果物には各地域での「旬」があります。


なので半年間あなたのハウスでいちごの収穫ができたとしても、一日中仕事に追われる期間はせいぜい半分の3か月です。


やっていくうちにわかってくると思いますが、半日体が空く時期ができたり、そもそも作るハウスの棟数が少なければ、毎日午後3時を過ぎれば仕事がなかったりします。





その時間を使ってアルバイトをしましょう。



そんな都合のいいアルバイトなんてあるの?






探せばあります。






あなたが就農した町の農家さんが全員いちご専門の農家なんてことはまずあり得ません。



大規模にいちごを作っている農家さんもいれば、いちごとお米の農家、いちごと他の野菜の農家、など様々なのです。




要するにそれぞれの経営体によって忙しい期間が重なることもあれば、ずれることも多々あるのです。


(私も自分の農園が忙しい時に朝の数時間だけバイトに来てくれる農家さんがいたりします。)



なのであなたは空いた時間で



・もっと大規模ないちご農家さんへバイトに行く。



・他の野菜を作ってる農家さんでバイトをする。



・JAなどの選果施設でバイトをする。



など、もちろん地域とのコミュニケーション能力が必要になってきますが、生活の向上のためにはしておくべきことです。





もう一個、コンビニのアルバイトにはない大きな大きな利点があります。
それはお金を稼ぎながら、




「農業の勉強、スキルアップ」ができます。



人様の農場を見ること、


仕事の仕方を見ること、


自分の育てる野菜と違う野菜の仕事をしてみることは農業をする上でとーっても重要です!



あなたがしてきたサラリーマンの嫌な仕事とは感覚が少し違いますよね?



だって必ず自分にとってプラスになるアルバイトですもんね。



農家の人は少し褒めてあげれば、びっくりするほど自分の技術を教えてくれます(笑) 年配の農家さんになるほど意欲がある若手農家が大好きです。



この「稼ぎながら学ぶ」で自分の農業収入で足りないお金を稼ぎましょう!





【じゃあ具体的に一体いつになったら「専業農家」としてやっていけるの?】






大丈夫です!あなたの努力は絶対に報われます!!

ですが少し長くなってしまったので次の記事にしたいと思います。





次の記事では「専業農家への道のり」と「二番、三番手の作物」についての記事にしたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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